三界唯心
読み方
さんがい ゆいしん意味
仏教で、欲界・色界・無色界の「三界」にある一切の現象は、すべて心のはたらきによって現れたものであり、心を離れて独立に存在するものではない、という考え。世界のあり方は自己の心のあり方と深く関わる、という意味で用いられる。由来
大乗仏教、特に華厳思想・唯識思想に由来する語。『華厳経』十地品の「三界虚妄、但是一心作」や「三界唯一心」といった趣旨を四字に約した表現とされる。漢訳『華厳経』は東晋の仏駄跋陀羅訳が418~420年ごろ、唐の実叉難陀訳が695~699年ごろに成立。日本では奈良時代(8世紀)以降、華厳宗・唯識関係の教学で用いられた。四字句としての成立年は不詳。備考
仏教教学の専門語としての色合いが強い。日常会話ではまれで、「気の持ちよう」という意味に単純化しすぎると本来の教義からずれる。例文
- 華厳宗の講義で、先生は三界唯心を「世界は心のあらわれ」と説明した。
- 彼は三界唯心の立場から、外界の苦しみも心のあり方と切り離せないと考えた。
- 禅寺の法話では、三界唯心という言葉を手がかりに、日々の物の見方を省みた。
- 三界唯心は単なる楽観論ではなく、認識と世界の関係を説く仏教思想である。
- 研究発表では、華厳経における三界唯心と唯識説との関係が論じられた。
類義語
- 万法唯識
- 一切唯心
- 唯心所現
- 心外無法
- 三界唯一心
対義語
- 心外有法
- 唯物論
- 実在論