一読三嘆
読み方
いちどく さんたん意味
一度読んだだけで、何度もため息が出るほど深く感心すること。特に、詩歌・文章・手紙などが非常にすぐれていて、読者に強い感動や賞賛の念を起こさせるさまをいう。ここでの「嘆」は悲しむのではなく、感嘆する意味。由来
「一読」は一度読むこと、「三嘆」は何度も感嘆すること。直接の初出・成立年は不明。背景には、中国古典『礼記』楽記(前漢期、紀元前1世紀前後に編纂とされる)の「一唱三嘆(壹倡三歎)」があり、歌うことを「読む」に置き換えて、詩文批評の語として用いられるようになったと考えられる。備考
「嘆」は「悲嘆」ではなく「感嘆・賞嘆」。主に文学・文章への高い評価に使う硬い表現で、日常会話ではやや改まった響き。異体字で「一読三歎」とも書く。例文
- この短編小説は、無駄のない構成と余韻の深さで一読三嘆の名作だ。
- 先生は彼の卒業論文の序章を読み、一読三嘆して何度も頷いた。
- 芭蕉の句を改めて味わうと、十七音の中に広がる世界の豊かさに一読三嘆する。
- 友人から届いた追悼文は簡潔ながら心に迫り、一読三嘆せずにはいられなかった。
- 受賞作の講評には「まさに一読三嘆に値する文章」と記されていた。
類義語
- 一唱三嘆
- 拍案叫絶
- 嘆賞
- 絶賛
- 感嘆
対義語
- 悪文
- 駄文
- 凡作
- 陳腐な文章