一筆啓上
読み方
いっぴつ けいじょう意味
手紙や書状の冒頭で用い、「ひとこと申し上げます」「簡単に書き送ります」という意味を表す定型句。転じて、短い手紙や、手短に用件を伝えることもいう。堅苦しすぎないが、古風で改まった響きがある。由来
「一筆」は筆を一度走らせる程度の短い文章、「啓上」は手紙で相手に申し上げる意の謙譲表現。成立時期は未詳だが、中世末〜近世の書簡文の定型表現として広まったと考えられる。特に天正3年(1575年)頃、本多重次が妻へ送ったとされる「一筆啓上 火の用心…」の短文でよく知られる。備考
現代の日常メールではやや古風。手紙・葉書・案内文などで趣を出す表現として使われる。 famosaな句「火の用心…」と結び付けて知られることが多い。例文
- 祖父は葉書の冒頭に「一筆啓上」と書き、近況を手短に知らせてきた。
- 一筆啓上、先日のご厚意に心より御礼申し上げます。
- 長い説明は避け、一筆啓上の体裁で要件だけを伝えた。
- 旅先から友人へ、一筆啓上と書き出して絵葉書を送った。
- 展示会の案内状は、古風な趣を出すために「一筆啓上」で始まっていた。
類義語
- 寸書
- 略書
- 一筆申し上げる
- 書中啓上
- 簡書
対義語
- 長文累牘
- 冗長な書簡
- 大部の書状