一無長物
読み方
いちむ ちょうぶつ意味
身の回りに余分な物が一つもないこと。また、所有物がほとんどなく、非常に貧しいこと。単に「貧乏」というだけでなく、ぜいたくや不要な物を持たない質素なあり方を表す場合もある。由来
中国の故事に由来する。「長物」は本来、必要を超えた余分な物の意。東晋の王恭が、客に座っていた竹の敷物を求められると、それ一枚しかないのに譲り、後に「自分には余分な物がない」と述べた故事による。5世紀、南朝宋の劉義慶が編んだ『世説新語』徳行篇などに見える「無長物」がもとで、日本で「一無長物」の形で四字熟語として用いられるようになった。備考
貧困を表すだけでなく、余分な物を持たない清貧・簡素な生き方を肯定的に述べる文脈でも使われる。日常会話より文章語寄り。例文
- 彼は一無長物の身で上京したが、努力を重ねて会社を興した。
- 引っ越しの荷物を見て、自分がほとんど一無長物に近い生活をしていることに気づいた。
- 退職後は一無長物を理想とし、必要最小限の物だけで暮らしている。
- 戦後の混乱の中、祖父は一無長物から家族を養わなければならなかった。
- 豪華な家具を持たない彼の部屋は、一無長物という言葉が似合うほど簡素だった。
類義語
- 無一物
- 赤貧洗うが如し
- 一文無し
- 清貧
- 余分な物を持たない
対義語
- 富貴栄華
- 豊衣足食
- 家財万貫
- 金殿玉楼