一国三公
読み方
いっこく さんこう意味
一つの国に三人もの君主・支配者がいること。転じて、組織や集団の中に権限を持つ者が複数いて、それぞれが別々の命令や方針を出すため、下の者が誰に従えばよいのか分からず混乱する状態をいう。由来
中国春秋時代の晋の内紛に関する故事に基づく語。『春秋左氏伝』僖公五年の記事に「一国三公、吾誰適従」とあり、士蔿が「一国に三人の主君がいるようでは、私は誰に従えばよいのか」と嘆いたことに由来する。記事の年代は紀元前655年ごろで、『左氏伝』の成立は戦国時代から前漢初期ごろとされる。備考
「公」は君主・支配者の意。現代では国家に限らず、会社や団体で権限者が乱立し指示が混乱する状況を批判的にいう。硬い文章向き。例文
- 社長、会長、創業者がそれぞれ別の指示を出すので、現場は一国三公の状態になっている。
- プロジェクトに責任者を三人置いた結果、一国三公となり、意思決定がかえって遅れた。
- 新任の部長は、一国三公だった部署の指揮系統を整理し、最終決定権を明確にした。
- 災害対策では、複数の窓口がばらばらに発表すると一国三公になり、住民の不安を増す。
- 親会社と子会社の役員が同時に命令を出すため、担当者は一国三公で身動きが取れなかった。
類義語
- 政出多門
- 多頭政治
- 多頭体制
- 指揮系統の混乱
- 船頭多くして船山に上る
対義語
- 一致団結
- 一枚岩
- 指揮系統の一本化
- 上意下達