鶏鳴狗盗
読み方:けいめい くとう
意味
鶏の鳴きまねをすることと、犬のように忍び込んで物を盗むこと。転じて、取るに足りないように見える小さな技能、またはそのような技能をもつ者をいう。卑しい技という含みをもちつつも、非常時には小さな特技が役に立つという意味でも用いられる。
由来
中国・前漢の司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ「史記」の「孟嘗君列伝」に由来する。戦国時代(紀元前3世紀ごろ)、秦国から逃れようとした孟嘗君を、犬のように忍び込んで品物を盗む食客と、鶏の鳴き声をまねる食客が助けた。前者が必要な狐白裘を手に入れ、後者の鳴きまねで函谷関の門を開かせた故事から生まれた。
備考
人や技能を「卑しい」「些末だ」と評する響きがあるため、現代では相手への評価として使う際に注意が必要である。一方で、どんな小さな特技も非常時には役立つという文脈でも用いられる。
補足
- 「鶏鳴犬盗」と書くのは誤り。正しくは「鶏鳴狗盗」。
- 単に「悪事を働く者」という意味に限定するのは不正確で、小さな技能やその技能をもつ者を指すことがある。
例文
- 彼は鶏鳴狗盗と見下されがちな技術を生かし、思いがけずチームの危機を救った。
- 組織には、鶏鳴狗盗の士まで含めた多様な人材が必要な場合もある。
- 孟嘗君は鶏鳴狗盗の者も食客として遇し、その能力を活用したと伝えられる。
分類
類義語
- 一芸一能
- 末技