鶏犬相聞
読み方
けいけんそうぶん
意味
鶏や犬の鳴き声が互いに聞こえるほど、人家や村落が近く接していること。転じて、隣り合う地域・国などの距離が非常に近いことをいう。もとは、近くに住みながらも互いに行き来しない素朴で閉じた共同体の姿を表した語。
由来
中国の古典『老子』第80章にある「鶏犬之声相聞、民至老死不相往来(鶏や犬の声は互いに聞こえるが、民は老いて死ぬまで往来しない)」に基づく。『老子』は戦国時代、紀元前4~3世紀ごろに成立したと考えられているが、成立事情や編纂時期には諸説ある。
備考
日常会話よりも、文章語・漢文調の表現として用いられる。「相聞」は「互いに聞こえる」の意。『老子』の原文では、近接していても往来しない理想郷的・閉鎖的な社会像と結び付く。
例文
- 山あいには、鶏犬相聞の小さな集落が点在している。
- かつてこの平野では、鶏犬相聞の村々が水路を共同で管理していた。
- 両国は鶏犬相聞の近さにありながら、長年にわたり人々の交流は少なかった。
類義語
- 隣接
- 近接
- 比隣
対義語
- 遠隔
- 隔絶
- 天涯万里