陰徳陽報
読み方:いんとく ようほう
意味
人に知られないように善い行いをして徳を積めば、いつかは目に見えるよい報いを受けるということ。「陰徳」は人知れず行う善行、「陽報」は公に現れるよい報いをいう。見返りを求めず善行を重ねることの大切さを表す。
由来
中国・前漢の思想書『淮南子』人間訓にある「陰徳ある者には必ず陽報あり、陰行ある者には必ず昭名あり」という趣旨に基づく。『淮南子』は前漢の淮南王・劉安らによって紀元前139年頃に編纂・献上されたとされる。「人知れぬ善行には、いずれ明らかな報いがある」という考えを四字に縮めた語である。
備考
必ずしも金銭や地位などの即時の利益を意味しない。信頼、人望、心の充足などを「報い」と捉える場合も多い。自分の善行を誇る文脈より、他者の控えめな善行をたたえる際に用いられる。
別表記
- 陰德陽報
補足
- 「隠徳陽報」と書くのは一般に誤り。「隠す」ではなく、人目につかないことを表す「陰徳」を用いる。
- 「善行をすれば直ちに利益が得られる」という即物的な意味に限定するのは不適切。
例文
- 彼女は寄付したことを決して公表しない。まさに陰徳陽報を信じているのだろう。
- 地域の清掃を長年続けてきた彼は、陰徳陽報のごとく、多くの人から信頼を集めている。
- すぐに評価されなくても、陰徳陽報という言葉を胸に、できる善行を続けたい。