転重軽受
読み方:てんじゅうきょうじゅ
意味
仏教で、過去世に作った悪業によって本来は重く受けるはずの果報・苦しみを、現世では軽く受けること。信仰や善行などによって重い報いが軽く転じられる、という業報観をいう。
由来
仏典『涅槃経』(一般に北涼の曇無讖による漢訳『大般涅槃経』、5世紀前半・421~430年頃の成立とされる)に基づく仏教語である。「重きを転じて軽く受く」と訓読し、重い業報を軽い形で受ける意を表す。日本では鎌倉時代以降、とくに日蓮仏教の文脈でも用いられ、日蓮の著作に『転重軽受法門』がある。
備考
日常会話ではほとんど用いない仏教語である。苦難を本人の業のせいだと一方的に断定する語り方は、相手を傷つけうるため注意が必要。
別表記
- 轉重輕受
補足
- 「転重軽授」は誤記で、「軽受」と書く。
- 単に「重い責任を軽く受け止めること」という意味で使うのは誤り。業報に関する仏教語である。
例文
- 仏教では、現在の苦難を、過去の業による重い報いを軽く受ける転重軽受として解釈することがある。
- 僧侶は、転重軽受という教えを紹介しつつ、苦しむ人を安易に責めてはならないと説いた。
- 日蓮仏教の文脈では、法難を転重軽受のあらわれとして語る場合がある。
分類
類義語
- 罪障消滅
- 滅罪生善