越鳥南枝
読み方:えっちょう なんし
意味
故郷を離れた者が、故郷を懐かしく思い、そこへ帰りたいと願う気持ちのたとえ。中国南方の越に生まれた鳥が、故郷の方角である南に向いた枝に巣を作るという習性になぞらえた語である。
由来
中国・後漢ごろ(1~2世紀ごろ)に成立したとされる無名氏の詩「古詩十九首」の一篇「行行重行行」にある「胡馬依北風、越鳥巣南枝(胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう)」に基づく。これが6世紀、南朝梁の蕭統が編んだ詩文集「文選」に収められ、日本では「越鳥南枝」と四字に縮めて、望郷の思いを表す語となった。
備考
主に文章語・雅語として用いられ、日常会話では「望郷の念」「故郷を懐かしむ気持ち」などと言うことが多い。原典の句は「越鳥巣南枝」であり、「越鳥南枝」はその省略形である。
補足
- 「えつちょうなんし」ではなく、慣用的な読みは「えっちょうなんし」。
- 原典の句は「越鳥巣南枝」であり、「越鳥南枝」は「巣」を省略した四字熟語である。
例文
- 長年海外で暮らしていても、彼の心には越鳥南枝の思いがあり、いつか故郷へ戻りたいと考えている。
- 進学のため上京した娘は、祭りの季節になると越鳥南枝の情を募らせ、実家に電話をかけてくる。
- 異郷で成功を収めた彼の随筆には、越鳥南枝ともいうべき深い郷土愛が表れている。
分類
類義語
対義語
- 四海為家