螟蛉之子
読み方:めいれい の し
意味
他人の子を引き取って自分の子として育てる「養子」、またはその子をいう語。特に、血縁はないが養育者の愛情や教育を受けて、その家の子・後継者となった者を指す。現在では日常語としては「養子」が一般的で、「螟蛉之子」は漢文調・文章語的な表現である。
由来
中国最古の詩集である『詩経』の「小雅・小宛」にある「螟蛉有子、蜾蠃負之(めいれい子有り、すがるこれを負う)」に基づく。収録された詩は概ね西周から春秋時代(前11世紀〜前6世紀ごろ)に成立したとされる。古代には、蜾蠃という蜂が螟蛉(蛾の幼虫)を巣へ運び、自分の子として育てて蜂に変えると考えられた。この理解から、他人の子を自分の子として育てる養子の意味になった。
備考
「螟蛉の子」とも書く。故事の前提となった生物学的理解は正確ではなく、蜾蠃は螟蛉を養子にするのではない。現代では主に故事成語・文語として用い、日常会話では「養子」が自然である。
別表記
- 螟蛉の子
誤用・混同注意
- 「螟蛉之子」を実の子の意味で用いるのは誤りで、基本的には養子・他人から迎えた子を指す。
- 蜾蠃が螟蛉を自分の子として育てるという故事を、生物学的事実だと理解するのは不正確である。
例文
- 彼は幼くして伯父夫婦の螟蛉之子となり、深い愛情を受けて成人した。
- 古い家譜には、当主が螟蛉之子を迎えて家名を継がせたと記されている。
- 血縁の有無ではなく、螟蛉之子として育てた年月が二人を本当の親子にした。
分類
類義語
- 養子
- 義子
- 養嗣子
対義語
- 実子