薄情寡恩
読み方:はくじょう かおん
意味
人に対する情愛や思いやりが薄く、恩恵を施す心にも乏しいこと。また、そのように冷淡で恩知らずな人や態度をいう。相手への愛情・義理を欠き、都合が悪くなると人を見捨てるようなあり方を、強い非難を込めて表す。
由来
中国・清代の李汝珍による小説「鏡花縁」に見える語とされる。「薄情」は人情や愛情が薄いこと、「寡恩」は他者への恩恵・思いやりが少ないことを表す。近い意味の二語を重ねて、人物の冷淡さを強調した表現である。「鏡花縁」は1827年ごろ(清・道光7年)に刊行された。
備考
文章語・批判語として用いられ、人への冷淡さや恩義を軽んじる態度を強く非難する。単に口数が少ないことや、感情表現が控えめなことを指す語ではない。
誤用・混同注意
- 「寡恩」を「かんおん」と読まない。正しい読みは「かおん」。
- 単に受けた恩を忘れることだけを指す語とするのは不十分で、人情・思いやりに乏しい冷淡さも表す。
例文
- 苦境に陥った仲間をためらいなく切り捨てるとは、あまりに薄情寡恩な態度だ。
- 長年世話になった恩人を顧みない彼を、周囲は薄情寡恩だと非難した。
- 利益だけを優先して協力者を見捨てる薄情寡恩な振る舞いは、やがて人の信頼を失う。