蕉鹿之夢
読み方:しょうろく の ゆめ
意味
夢と現実との区別がつかなくなること、また、人生における栄枯盛衰や得失が夢のようにはかないことのたとえ。自分が実際に経験したことまで夢だったのではないかと疑うような、現実の不確かさをいう。
由来
中国の古典『列子』「周穆王」に由来する。鄭の木こりが鹿を射て蕉(大きな葉をもつ植物)の下に隠したが、隠し場所を忘れて夢だったと思い込む。話を聞いた別の男が鹿を見つけるなど、双方が夢と現実を取り違える故事から生まれた。『列子』は戦国時代の思想を伝える書とされる一方、現行本の成立は魏晋期(3~4世紀頃)とする説が有力である。
備考
「蕉」は「芭蕉」の「蕉」で、ここでは鹿を覆い隠した大きな葉を指す。日常会話での使用はまれで、文章語・教養的表現として用いられる。仮名交じりで「蕉鹿の夢」とも書く。
別表記
- 蕉鹿の夢
誤用・混同注意
- 読みを「しょうかのゆめ」としない。正しくは「しょうろくのゆめ」。
- 「芭蕉之夢」とは書かない。正しくは「蕉鹿之夢」。
例文
- 目覚めても旅行先で見た光景があまりに非現実的で、蕉鹿之夢のような気分だった。
- 栄華を誇った会社が短期間で姿を消したことに、彼は人生とは蕉鹿之夢だと嘆いた。
- 記憶違いなのか実際に起きたことなのか判然とせず、その出来事は私にとって蕉鹿之夢となっている。