絶巧棄利
読み方
ぜっこう きり意味
人為的な技巧や利を求める心を断ち捨てること。老荘思想では、巧みに作為をこらしたり利益を追い求めたりする社会風潮が、人の欲望や争い、盗みを生むと考え、素朴で自然なあり方に戻るべきだという意味で用いられる。由来
中国古典『老子』第十九章の「絶巧棄利、盗賊無有」に由来する。「巧を絶ち利を棄つれば、盗賊有ること無し」と読み、人々が技巧や利得への執着を捨てれば盗賊もいなくなる、という老子の政治・社会観を示す句。『老子』の成立年代は諸説あるが、一般に中国の戦国時代、紀元前4〜3世紀頃に形成されたとされる。備考
日常会話ではほとんど使われず、老子・老荘思想を論じる文脈に多い。現代では「技術否定」ではなく、作為や利欲への戒めとして解釈されることが多い。例文
- 彼は競争に疲れ、絶巧棄利の精神で田舎に移り、質素な暮らしを始めた。
- 老子の「絶巧棄利」は、利益ばかりを追う現代社会への批判としても読める。
- 社長は短期的なもうけを追わず、絶巧棄利に近い姿勢で誠実なものづくりを重んじた。
- 華美な宣伝や小手先の工夫をやめ、絶巧棄利の考えに立って本当に必要なサービスだけを残した。
- 授業では、絶巧棄利という語を通して、老荘思想における無為自然の考え方を学んだ。
類義語
- 無為自然
- 清静無為
- 寡欲知足
- 絶聖棄智
対義語
- 巧偽利欲
- 利欲追求
- 功利主義