素位而行
読み方:そい にして おこなう
意味
自分が現在置かれている身分・地位・境遇に応じて、その立場で果たすべきことを誠実に行うこと。自分の分を超えた地位や利益をむやみに望まず、今の役割にふさわしく行動するという意味である。
由来
中国の儒教経典『礼記』の「中庸」篇にある「君子素其位而行、不願乎其外(君子はその位に素して行い、その外を願わず)」に基づく。「素」は「従う・そのままである」、「位」は身分や立場をいう。「中庸」篇は戦国時代末から前漢期にかけて成立したと考えられ、『礼記』としては前漢時代(紀元前1世紀頃)に編纂された。
備考
主に儒教的な処世訓として用いられる。「分相応に生きる」という意味だが、消極的に現状へ甘んじることや、向上心を否定することを必ずしも意味しない。
誤用・混同注意
- 「素意而行」と書くのは誤りで、正しくは「素位而行」。
- 単に「現状に満足して何もしないこと」と解するのは不正確で、現在の立場で責務を果たす意を含む。
例文
- 彼は素位而行の姿勢を守り、今の役職で果たすべき責任に専念している。
- 若手のうちは素位而行を心掛け、まず与えられた仕事を着実に遂行しよう。
- 素位而行とは、現状に甘んじて努力を怠ることではなく、自分の立場に応じて誠実に行動することだ。
分類
類義語
対義語
- 分不相応
- 身の程知らず
- 僭越妄行