第一義空
読み方:だいいちぎ くう
意味
仏教、特に大乗仏教の般若思想でいう「究極の真理の立場から見た空」のこと。あらゆる物事は、それ自体で独立して変わらない本質(自性)をもつものではなく、種々の条件によって成り立つという見方を表す。単なる無・虚無を意味する語ではない。
由来
インド大乗仏教の般若思想に由来する漢訳仏教語。「第一義」は究極の真理・最高の道理、「空」は固定的・独立的な実体がないことをいう。『大智度論』では十八空の一つとして「第一義空」が説かれる。同書は龍樹作と伝えられ、鳩摩羅什によって後秦の弘始年間(402~406年頃)に漢訳された。
備考
主に仏教研究・宗教哲学で用いられる専門語。「空」を「何も存在しない」という意味に限定するのは不正確で、固定不変の実体を認めないという思想を表す。
補足
- 「第一義空」を単に「何も存在しない」という虚無論の意味で理解するのは不正確。
- 「第一義」は「だいいちい」ではなく、通常「だいいちぎ」と読む。
例文
- 般若思想では、第一義空を悟ることが執着から離れる道と考えられる。
- この講義では、第一義空は単なる虚無論ではないと説明された。
- 縁起の教えを踏まえると、諸法は第一義空であると説かれる。
分類
類義語
- 勝義空
- 真空
- 第一義諦の空
対義語
- 実有
- 自性有