発菩提心
読み方:ほつ ぼだいしん
意味
仏教で、悟りを求めて仏になろうとする強い心を起こすこと。また、その心そのものをいう。自分だけの救いを願うのではなく、広く衆生を救おうとする大乗仏教の実践の出発点として重視される。
由来
サンスクリット語の「ボーディチッタ(bodhicitta、悟りの心)」および「その心を起こすこと」を、中国で漢訳して「発菩提心」とした仏教語である。インドで大乗仏教が展開した紀元前後から数世紀頃に思想的背景が形成され、中国語訳仏典を通じて日本へ伝来した。特定の一書だけを起源とする語ではなく、多くの大乗経典・論書に見られる。
備考
日常会話よりも、仏教の教義・説法・宗教文学で用いられる語である。「菩提心」は悟りを求める心、「発」はその心を起こす意。読みは一般に「ほつぼだいしん」で、「はつぼだいしん」とは通常読まない。
誤用・混同注意
- 「はつぼだいしん」と読むのは一般的でない。標準的な読みは「ほつぼだいしん」。
- 「菩提心」を単に個人的な成功願望の意味に解するのは不正確で、仏道の悟りと衆生救済を志す心をいう。
例文
- 僧は発菩提心して、すべての人々の苦しみを除くために修行を始めた。
- 仏道に入る者は、まず発菩提心の志を確かにすることが大切だと説かれる。
- 苦しむ人を見捨てないという思いが、彼女にとっての発菩提心となった。
分類
類義語
- 発心
- 発願
- 道心発起