痛定思痛
読み方
つうてい しつう
意味
つらい出来事や苦痛がいったん落ち着いた後で、あらためて当時の苦しみを思い返すこと。その経験を深く反省し、同じ過ち・失敗・災難を繰り返さないように戒める意味で用いる。
由来
中国・唐代(8~9世紀)の文人、韓愈(かんゆ)が李翺(りこう)に宛てた書簡「与李翺書」にある「痛定思痛、痛何如哉」に基づく。「痛みが鎮まった時に、あらためてその痛みを思う」という構成で、苦難を経験した後の深い反省と自戒を表すようになった。
分類・構成
備考
個人の失敗だけでなく、事故・災害・戦争など、重大な苦難を経験した組織や社会の反省にも用いる。単に過去を悲しむのではなく、教訓を将来に生かすという含みがある。
誤用・混同注意
- 「痛みが鎮まれば苦しみを忘れる」という意味ではない。鎮静後に苦痛を思い返し、反省・自戒する意である。
- 「痛定」を「つうじょう」と読まない。標準的な読みは「つうていしつう」。
例文
- 事故の原因を曖昧にせず、会社は痛定思痛の思いで安全管理体制を見直した。
- 被災の記憶を風化させず、地域全体で痛定思痛しながら防災計画を整備している。
- 彼は事業の失敗を痛定思痛の機会と捉え、経営方針を根本から改めた。
類義語
- 反省自戒
- 自省
- 前車之鑑
対義語
- 無反省
- 喉元過ぎれば熱さを忘れる