理事無碍
読み方:りじ むげ
意味
仏教、特に華厳宗の思想で、万物の根本的・普遍的な真理である「理」と、個別具体的に現れる現象・事物である「事」とは、互いに妨げ合わず、一体として円満に成り立っているということ。理と現実を対立するものと見ない立場をいう。
由来
華厳教学の「四法界」の一つである「理事無礙法界」に由来する仏教語である。中国・隋唐期(7世紀ごろ)に成立・展開した華厳思想に基づき、伝統的には唐代以前の華厳祖師・杜順(557~640)に帰される『華厳法界観門』などで体系化された。日本には奈良時代以降、華厳宗の教理として伝来した。
備考
主に華厳宗の専門用語として用いる。「理事無碍」は理と事の融通をいい、個々の事象どうしも無限に関わり合うとする、さらに進んだ教えは「事事無碍」という。一般的な日常会話ではあまり用いない。
別表記
- 理事無礙
誤用・混同注意
- 「理事無碍」を単に「理事(会社などの役員)が障害なく活動すること」と解釈するのは誤り。仏教語では「理」と「事」を表す。
- 「無碍」は「無害」ではない。「碍」は妨げ・障害の意である。
例文
- 華厳宗では、理事無碍の立場から、真理と日常の事象は切り離せないものと説く。
- 師は理事無碍という考え方を用い、修行と現実の生活を対立させるべきではないと説明した。
- 理事無碍の教えは、個々の出来事の中にも普遍的な真理が現れていると見る視点を示す。