理一分殊
読み方:りいつ ぶんしゅ
意味
あらゆるものを貫く普遍的な原理・道理(理)は一つである一方、その現れ方は個々の事物、人間関係、事象ごとに異なる(分殊)という考え方。共通の根本原理を認めながらも、個別の違いやそれぞれに応じたあり方を重視する思想をいう。
由来
中国・北宋期(11世紀後半〜12世紀初め)の儒学に由来する。張載の『西銘』を評した程頤(1033〜1107)の言葉「理一而分殊」に基づくとされる。後に朱熹(1130〜1200)が理学の重要な概念として受け継ぎ、万物に共通する「理」と、個別の差異との関係を説明する語として広まった。
備考
主に宋明理学・朱子学で用いられる哲学用語で、日常会話で使う語ではない。「理」は道理・普遍原理、「分殊」は個別に分かれて異なることを指す。
補足
- 「りいちぶんしゅ」ではなく、通常は「りいつぶんしゅ」と読む。
例文
- 朱子学では、親子・君臣などの関係の違いを、理一分殊の考え方によって説明する。
- 多様な文化に共通する人間性を認めつつ違いも尊重する姿勢は、理一分殊という考えに通じる。
- 彼は理一分殊を手がかりに、普遍的な倫理と個別の事情を両立させようとした。