物競天択
読み方
ぶっきょう てんたく意味
生物や人・集団などが環境の中で競い合い、その競争の結果として、自然の条件に適したものが生き残り、適さないものが淘汰されるという考え。ダーウィン進化論の「生存競争」と「自然選択」を合わせて表す語として使われる。由来
19世紀末の進化論受容に由来する語。清末の思想家・厳復がハクスリー『進化と倫理』を訳述した『天演論』(1898年)などで「物競天択」「適者生存」を用い、西洋の進化論・社会進化論を漢語で表したことから広まった。日本では明治期以降、進化論や社会思想の文脈で受容された。備考
生物学用語としては現在「自然選択」「自然淘汰」が一般的。社会に当てはめると社会ダーウィニズム的な響きがあり、用法には注意が必要。例文
- 明治期の知識人は、物競天択の思想を社会や国家の競争にまで当てはめて論じた。
- 自然界では、物競天択によって環境に適応した形質が残りやすいと説明される。
- 彼の論文は、単なる進歩礼賛ではなく、物競天択の考え方が社会に与えた影響を分析している。
- 弱肉強食を正当化するために物競天択を持ち出すのは、進化論の単純化だ。
- 物競天択という語は、ダーウィン以後の進化思想が東アジアに受け入れられる過程を示している。
類義語
- 自然淘汰
- 適者生存
- 生存競争
- 優勝劣敗
対義語
- 人為淘汰
- 共存共栄
- 相互扶助