物我一体
読み方
ぶつが いったい意味
外界の事物・自然・対象である「物」と、自己・主体である「我」とが一つに溶け合い、区別がなくなる境地。芸術制作、宗教的体験、自然観照などで、対象に没入して自他や主客の隔たりを感じない状態をいう。由来
「物」は外界の事物・対象、「我」は自己・主体、「一体」は一つになること。仏教・禅、中国思想の主客合一的な考えを背景にした語で、成立年は不詳。日本では近世の文芸論や、明治〜大正期以降の哲学・美学・俳論などで広く用いられるようになった。備考
日常会話ではやや硬く、哲学・宗教・芸術批評で多い語。「我を忘れる」に近いが、単なる熱中よりも主客の区別が消える深い境地を指す。例文
- 山中で夜明けを待つうち、彼は自然と自分が溶け合う物我一体の感覚を味わった。
- 名人の演奏には、楽器と奏者が区別できないほどの物我一体の境地がある。
- 画家は対象をよく観察するだけでなく、対象と物我一体になる瞬間を大切にしている。
- 座禅を続けるうちに、呼吸も音も光も自分と一つになるような物我一体を感じた。
- この俳句は、作者が秋の野と物我一体になったかのような静けさを伝えている。
類義語
- 主客一如
- 自他一如
- 物心一如
- 梵我一如
- 天人合一
対義語
- 主客対立
- 自他対立
- 物我二元
- 物心二元