牧豕聴経
読み方:ぼくし ちょうけい
意味
貧しい境遇にあったり仕事をしながらであったりしても、学問を強く求め、機会を逃さず熱心に学ぶこと。苦労をいとわず勉学に励む志をいう。
由来
中国・後漢時代(1世紀ごろ)の承宮の逸話に由来する。幼い承宮は人に雇われて豚を飼っていたが、学者の徐子盛が弟子に『春秋』を講じる声を聞き、豚の番を忘れるほど聞き入ったという。これが5世紀前半に范曄が編纂した『後漢書』承宮伝に記され、「豕を牧して経を聴く」を縮めて成語化した。
備考
文語的で、日常会話ではあまり用いられない。「経」は仏教の経典ではなく、原話では儒教の経典、特に『春秋』を指す。
別表記
- 牧豕聽經
誤用・混同注意
- 「豕」を「豚」と書き換えて「牧豚聴経」とするのは定着した四字熟語の表記ではない。
- 「聴経」を「ちょうきょう」と読まない。標準的な読みは「ちょうけい」である。
例文
- 承宮の故事にちなむ牧豕聴経の精神で、彼は働きながら夜間に勉強を続けた。
- 経済的な事情で進学を断念しても、彼女は牧豕聴経の志を失わず、独学で資格を取得した。
- 講演者は若者たちに、牧豕聴経にならい、どのような環境でも学ぶ機会をつかむよう説いた。