牧豕奴戯
読み方:ぼくし どぎ
意味
豚を飼うような低い身分の者と一緒に遊ぶこと、または若いころに卑近な遊びをしていたことをいう。特に、のちに君主や大人物となった者の、貧しく身分の低かった少年時代を語る際に用いる故事的な表現である。
由来
中国南朝宋の武帝・劉裕(りゅうゆう、356〜422)が、貧しかった少年時代に豚を放牧し、身分の低い者たちと遊んだとする逸話に由来する。劉裕は420年に宋を建てて皇帝となったため、後世、その微賤な少年時代を表す語となった。典拠として5世紀ごろ成立の宋書の武帝紀が挙げられる。
備考
現代の日常会話ではほとんど用いられない古典的な語。身分の低さを表す歴史的文脈を含むため、現代の人物に対して直接使う際は注意が必要である。
別表記
- 牧豕奴戲
例文
- 伝記は、宋武帝が牧豕奴戯に明け暮れた少年期から皇帝となるまでを描いている。
- 劉裕の牧豕奴戯の逸話は、後年の成功をいっそう際立たせるために語られる。
- この語は日常的な遊びを表すのではなく、英雄の牧豕奴戯という歴史上の故事を踏まえて用いられる。