牛山濯濯
読み方
ぎゅうざん たくたく
意味
山の樹木が切り尽くされ、草木がなく丸裸になっているさまをいう。転じて、本来備わっていた美しさ・豊かさ・善良な心などが、度重なる損害や悪い影響によって失われ、荒れ果てている状態にもたとえる。
由来
中国の儒家の書「孟子」告子章句上に由来する。戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の孟子の思想を伝える文章で、かつて美しかった牛山が、木を伐られ牛馬に草を食べられて裸山になったことを、人の善い心が日々の害によって失われることのたとえとして述べた。「濯濯」は草木がなく、むき出しでさっぱりしているさま。
分類・構成
備考
自然破壊による裸山を表すほか、孟子の原意を踏まえて「人の善性・良心が損なわれること」の比喩にも用いる。「濯濯」は「洗う」の意味ではなく、草木がなくむき出しであるさま。
誤用・混同注意
- 「牛山卓卓」と書くのは誤り(正しくは「牛山濯濯」)。
- 「うしやまたくたく」ではなく、一般に「ぎゅうざんたくたく」と読む。
- 「濯濯」を単に「洗って清潔なさま」と解するのは不適切で、この語では草木がなく裸になったさまをいう。
例文
- 過度の伐採が続いた結果、その山は牛山濯濯のありさまとなった。
- 開発前には森だった丘も、今では牛山濯濯として無残な姿をさらしている。
- 目先の利益ばかりを追えば、人の本来の良心も牛山濯濯のように失われかねない。
類義語
- 童山濯濯
- 草木皆無
- 荒涼たる
対義語
- 鬱鬱蒼蒼
- 緑樹成陰