無病呻吟
読み方
むびょう しんぎん
意味
病気でもないのに病人のようにうめくこと。転じて、切実な事情や実感がないのに、むやみに不平・悲嘆を口にすること、または内容や真情に乏しい詩文・表現を作ることをいう。多くは批判的・軽蔑的な意味で用いる。
由来
中国・南宋の詞人、辛棄疾(1140~1207)の詞「臨江仙・再用図字韻送祐之弟帰浮梁」に由来するとされる。12世紀末ごろの作品に表された、根拠のない愁いや嘆きの趣から、「病気でもないのにうめく」という比喩的表現として定着した。
分類・構成
備考
不平を言う人だけでなく、内容や実感に乏しい文学・評論を批判する際にも用いる。相手の実際の病気や困難を軽く扱う響きがあるため、そのような場面には使わない。
誤用・混同注意
- 「無病申吟」は誤りで、正しくは「無病呻吟」と書く。
- 「無病息災」と混同しない。「無病息災」は病気をせず健康であることを願う語である。
- 実際に病気や苦難を抱える人の訴えに対して用いるのは不適切である。
例文
- 実地経験のない批評を無病呻吟に終わらせず、具体的な根拠を示すべきだ。
- 生活に深刻な不自由がないのに不満ばかり述べる彼の話は、周囲には無病呻吟と映った。
- 作者自身の切実な体験が感じられないため、その詩は無病呻吟だと評された。
類義語
- 杞憂
- 矯揉造作
- 空言虚語