無始無明
読み方:むし むみょう
意味
仏教語。衆生を迷いと苦しみに結び付ける根本的な無知・迷いである「無明」が、時間的にいつ始まったのかを定められないほど古くからあること。生死輪廻や煩悩の根源として説かれる。
由来
特定の一つの故事に由来する語ではなく、古代インド仏教における「無明」の思想を、中国仏教が「始まりのない無明」として表した仏教用語である。大乗仏教の経論・注釈書で発達し、中国ではおおむね5~6世紀以降、日本には仏教伝来後に受容された。「無始」は始点を求められないこと、「無明」は真理を知らない迷いをいう。
備考
日常会話で使う語ではなく、仏教思想・哲学の文脈で用いる専門語である。「無始無終」とは別語であり、単に「始めも終わりもない」という意味ではない。
補足
- 「無始無終」と混同しない。「無始無明」は、始まりを定められない「無明」を指す仏教語である。
例文
- 仏教では、衆生を迷いにとどめる根本原因を無始無明と説く。
- 僧は、無始無明を断つためには智慧を養うことが必要だと語った。
- この章では、無始無明から生じる執着と、その克服の道筋が論じられている。
分類
類義語
- 根本無明
- 元品無明
- 無明