毎下愈況
読み方:まいか ゆきょう
意味
道理や物事の実態は、高尚で抽象的なところだけでなく、身近で卑近なもの、低いところへ目を向けるほど、かえってますます明らかになるということ。転じて、現場や末端を見ることで本質がよく分かるという意味で用いる。
由来
中国戦国時代(紀元前4〜3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』の「知北遊」篇に見える語。東郭子が「道はどこにあるのか」と問うと、荘子は道はありとあらゆる所にあり、草や瓦、さらには排泄物にもあると答える。その文脈で、低い・卑近なものへ下るほど実態はいっそう明らかになる、という趣旨を表した。
備考
現代では使用頻度が高くない、漢文調・文章語的な表現。「毎況愈下(まいきょうゆか)」とは字順も意味も異なり、後者は状況が次第に悪化することをいう。
別表記
- 每下愈況
補足
- 「毎況愈下(まいきょうゆか)」と混同しない。「毎況愈下」は状況がますます悪くなる意であり、「毎下愈況」とは意味が異なる。
- 読みを「まいきょうゆか」としない。正しくは「まいかゆきょう」。
例文
- 政策の効果を知りたければ会議室の議論だけで満足せず、利用者の声を聞くべきだ。毎下愈況というように、現場に近づくほど課題は明らかになる。
- 彼は華やかな成功談よりも、名もない職人の仕事ぶりを観察した。毎下愈況の姿勢が、ものづくりの本質をつかませたのだ。
- 社会問題を論じる際には、統計だけでなく当事者の日常を見る必要がある。毎下愈況の考え方は、その重要性を示している。