欲壑難填
読み方
よくがく なんてん
意味
人間の欲望は深い谷(壑)のように底がなく、いくら利益・財産・地位などを得ても満たしきれないこと。とくに、際限なく物や利益を求める強い貪欲さを戒める意味で用いる。
由来
中国の史書・国語の「晋語八」にある、晋の叔向が韓宣子に対し、財貨が足りないことばかりを憂えるべきではないと諭した説話に基づく。人の欲は深い谷のようで埋め尽くせない、という趣旨から生まれた語である。国語は春秋時代の出来事を記した書で、現在の形は戦国時代(前4〜前3世紀ごろ)に編まれたとされる。
分類・構成
備考
主に文語的・批評的な表現で、他者や組織の強欲さを非難・戒める文脈で使う。「壑」は深い谷、「填」は埋める意。日常会話では「欲が深くてきりがない」などと言い換えることも多い。
誤用・混同注意
- 「欲壑難埋」と書くのは誤りで、正しくは「欲壑難填」。
- 「壑」を「よくこく」などと読まず、通常は「よくがくなんてん」と読む。
例文
- 財産を十分に築いた後もなお不正に金を求めるとは、まさに欲壑難填というほかない。
- 欲壑難填に陥らないよう、今ある暮らしに感謝し、足ることを知る姿勢が大切だ。
- 会社が短期的な利益だけを追い続ければ、世間から欲壑難填の経営だと批判されかねない。