楚囚対泣
読み方
そしゅう たいきゅう
意味
故国や国土を失うなどの国難に遭い、なすすべもなく、同じ境遇の人々が向かい合って泣くこと。転じて、悲惨な状況を嘆くだけで、再起のために行動できないありさまをいう。
由来
中国・東晋が北方を失って江南へ移った後(4世紀前半)の故事による。晋の人々が新亭で故国の山河を思って涙した際、王導が「楚の捕虜のように向かい合って泣いている場合ではない」と叱咤したという。『晋書』王導伝に見える。なお、「楚囚」は楚国の捕虜を意味する。『晋書』の成立は唐代の648年。
分類・構成
備考
主に文章語として用いられる故事成語で、単なる「悲しんで泣くこと」ではなく、国難・敗北・没落などに際して無力に嘆く含みがある。王導の言葉は、嘆くより協力して再起せよという戒めでもある。
例文
- 敗戦後の政府首脳が責任を押しつけ合って涙するだけでは、楚囚対泣のそしりを免れない。
- 被災地の将来を案じるあまり楚囚対泣に終わるのではなく、復興策を実行に移すべきだ。
- 会議は現状への悲観論ばかりで、まるで楚囚対泣のありさまになっていた。
類義語
- 新亭対泣
- 黍離之嘆
- 麦秀之嘆