棄甲曳兵
読み方:きこう えいへい
意味
戦いに敗れ、鎧を脱ぎ捨て、武器を引きずりながら逃げること。転じて、勝負・競争・議論などで完全に敗れ、みじめに退却・撤退するさまをいう。
由来
中国戦国時代(紀元前4世紀ごろ)の思想書『孟子』の「梁恵王上」にある「棄甲曳兵而走」に基づく。戦闘に敗れた兵士が、甲(よろい)を捨て、兵(武器)を引きずって逃げる様子を表した語である。この箇所では、孟子が「五十歩逃げた者が百歩逃げた者を笑う」ことの不合理を説くたとえとして用いている。
備考
主に文章語として用いる。実際の戦争で敗走する場面のほか、競争・選挙・スポーツ・論争などで完全に敗れて退くことの比喩にも使われる。
補足
- 「曳」を「引」と書くのは誤り(正しくは「棄甲曳兵」)。
- 「兵」を兵士の意味だけに取るのは不正確で、ここでは主に武器・兵器を指す。
- 「棄甲曳兵」は敗走の様子を表す語であり、単に慎重に撤退する意味ではない。
例文
- 敵軍は反撃を受けると、棄甲曳兵のありさまで退却した。
- 価格競争に敗れた企業は、棄甲曳兵のように主要市場から撤退した。
- 準備不足のまま試合に臨んだチームは、強豪の前に棄甲曳兵して敗れ去った。
分類
類義語
- 落荒而走
- 敗走
- 逃走