枯魚之肆
読み方
こぎょ の し
意味
死に瀕している魚が干物屋に置かれるように、救いが届く前に手遅れになってしまうほど危急な状態をいう。差し迫った困窮に対し、遠い将来の援助を約束するだけでは役に立たない、というたとえ。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』外物篇に見える故事。困窮した荘周が監河侯に米を借りると、相手は秋に収入を得てから多額を貸すと答えた。荘周は、そんな先の援助なら、自分を「枯魚之肆」(干からびた魚を売る市場)で探すほうがよい、と返したことに由来する。
分類・構成
備考
文章語・故事成語として用いられる比較的まれな語。「之」は「の」、「肆」は市場・店の意で、「こぎょのし」と読む。単に干物を売る店を指す語ではなく、手遅れな援助への批判を含む。
誤用・混同注意
- 「肆」を「店」や「市」に書き換えない。正しくは「枯魚之肆」。
- 「之」は「し」ではなく「の」と読み、全体で「こぎょのし」と読む。
- 単に「干物屋」の意味だけと解するのは不十分で、救援が遅すぎて役に立たないという故事的な意味で用いる。
例文
- 資金繰りは今日明日が山場なのに、来年度の支援策を示されても枯魚之肆だ。
- 被災者にとって、数か月後の補償の約束だけでは枯魚之肆になりかねない。
- 彼は病状が急変しており、検査予約を来週まで延ばすのは枯魚之肆というべきだ。
類義語
- 釜中之魚
- 風前之灯
- 累卵之危
対義語
- 雪中送炭
- 旱天慈雨