有脚陽春
読み方
ゆうきゃく ようしゅん
意味
行く先々で人々に恵みや喜びをもたらす、慈愛深い優れた政治家・為政者をいう。春の暖かさが万物を育てるように、その人が赴任・訪問する土地を潤し、人々を幸せにするというたとえ。また、広くは温かい心で周囲に幸福を与える人への称賛にも用いる。
由来
10世紀の五代十国期に王仁裕が編んだ中国の説話集「開元天宝遺事」の「有脚陽春」に見える。唐代・玄宗期(8世紀)の宰相である宋璟は、民を慈しみ善政を行ったため、当時の人々から「行く所ごとに万物を温める春のようだ」、すなわち「脚のある陽春」だと称賛された故事に基づく。
分類・構成
備考
本来は唐の宰相・宋璟をたたえた故事成語で、特に仁愛ある為政者についていう。日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられる。単に春の景色や季節を指す語ではない。
誤用・混同注意
- 「有足陽春」として「脚」を「足」に置き換えるのは不適切(定着した表記は「有脚陽春」)。
- 単に「暖かい春」や「春の到来」を意味する語と解するのは誤り。
例文
- 新任の知事は福祉と治水に尽力し、住民から有脚陽春とたたえられた。
- 各地の赴任先で改革を成功させた彼は、まさに有脚陽春の官僚であった。
- 困っている人に分け隔てなく手を差し伸べる彼女を、同僚は有脚陽春のような人だと評した。
類義語
- 愛民如子
- 仁民愛物
- 温厚篤実