暗香浮動
読み方
あんこう ふどう意味
どこからともなく、ほのかなよい香りが漂ってくること。特に、月の出る黄昏時に梅の花の香りがかすかに漂う、静かで風雅な情景をいう。転じて、上品で奥ゆかしい趣や、目立たないが深く心にしみる美しさを表す。由来
中国・北宋の詩人、林逋(りんぽ/967〜1028)の七言律詩「山園小梅」にある句「疎影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏」に由来する。「暗香」はどこからともなく漂うほのかな香り、「浮動」は空気中にただよい動くこと。成立時期は北宋初期、11世紀初め頃と考えられ、梅の姿と香りを清雅に詠んだ表現として日本にも受容された。備考
梅・月・黄昏などと結びつく漢詩的で雅な表現。日常会話ではまれで、俳句・随筆・文学的描写で用いられることが多い。例文
- 夕暮れの庭に立つと、白梅の暗香浮動たる趣があたりを満たしていた。
- 茶室に入ると、床の間の一枝から暗香浮動の気配がして、客は皆しばらく黙った。
- 派手な演出はないが、彼女の文章には暗香浮動のような余韻がある。
- 春まだ浅い寺の境内で、暗香浮動の風情を味わいながら梅を眺めた。
- その香水は強く主張せず、暗香浮動という言葉がふさわしい上品な香りだった。
類義語
- 暗香疎影
- 芳香馥郁
- 清香馥郁
- 幽香浮動
対義語
- 無味無臭
- 臭気紛々
- 悪臭芬芬