明徳新民
読み方:めいとく しんみん
意味
自分に本来備わる明徳(人としてのすぐれた徳・善性)を明らかにし、その徳によって人々を新しく善へ導くこと。自己の人格を磨くことと、民衆を教化して社会をよくすることを一体の理想としていう。
由来
中国古典『大学』にある「大学之道、在明明徳、在親民、在止於至善(大学の道は、明徳を明らかにし、民を新たに〔親しみ導き〕、至善にとどまることにある)」という三綱領に基づく語である。『大学』は前漢〜前期漢代までに成立したとされ、のちに宋代(12世紀)に朱熹が注釈・整理して儒学の基本書として広まった。「親民」は注釈上「新民」、すなわち民を新たにすることと解される。
備考
儒教の政治・教育思想に関する語で、日常会話ではまれである。校訓、教育理念、漢文・思想史の文脈で用いられる。「新民」は単に新しい国民を意味するのではない。
別表記
- 明德新民
補足
- 『大学』の本文は一般に「明明徳・親民」とされる。「明徳新民」はその思想を要約した熟語であり、本文をそのまま四字で引用した形ではない。
- 「新民」を「新しい国民」の意味に解するのは不適切で、この語では「民を新たにし、善へ導くこと」をいう。
例文
- 教育者には、自らを律しつつ人々の成長を促す明徳新民の姿勢が求められる。
- その藩校は、明徳新民を教育理念に掲げ、人格の陶冶と地域への貢献を重んじた。
- 彼は明徳新民の精神に基づき、私利ではなく社会全体の改善を目指した。
分類
類義語
- 明明徳
- 親民
- 修己治人