摂受折伏
読み方:しょうじゅ せっぷく
意味
仏教で人を正しい教えへ導く二つの方法。「摂受」は相手を慈愛をもって受け入れ、穏やかに教えへ導くこと。「折伏」は誤った信仰や見解を批判・論破し、正しい教えに従わせようとすること。相手や時代に応じて両方を使い分ける考え方をいう。
由来
「摂受」は人々を受け入れて仏法へ導くこと、「折伏」は誤った見解を破して正法に帰依させることを表す仏教語である。語義の基盤は『涅槃経』などの大乗仏教にさかのぼる。両者を対にした教化法としての用法は、鎌倉時代(13世紀)の日蓮の『開目抄』などに見られ、日蓮系仏教で重要な教義用語となった。
備考
主に仏教、特に日蓮系諸宗派の教義に関して用いられる語である。日常語としてはまれで、「折伏」は相手を強く批判する語感を伴いやすいため、宗教史上の文脈を踏まえる必要がある。
別表記
- 攝受折伏
誤用・混同注意
- 「摂取折伏」と書くのは誤りで、正しくは「摂受折伏」。
例文
- 日蓮系仏教では、摂受折伏は人々を仏法へ導くための二つの方法を指す。
- 僧侶たちは、相手の状況に応じて摂受折伏のどちらを用いるべきかを議論した。
- 対立を深めないため、まずは摂受折伏のうち摂受による対話を選ぶべきだと彼は説いた。