慈烏反哺
読み方:じう はんぽ
意味
カラスの子が成長した後、年老いた親ガラスにえさを運んで養い、受けた恩に報いるという伝承から、子が親の恩を忘れず、孝養を尽くすことをいう。転じて、受けた恩に報いる行い一般にも用いる。
由来
中国の鳥類に関する書物『禽経(きんけい)』に見える「慈烏反哺」に基づく。カラスは親への情愛が深く、成長した子が親に食べ物を与えるとする伝承を表した語である。『禽経』は春秋時代の師曠の作と伝えられるが、成立年代・作者には諸説があり、確定していない。日本では子が親に孝行して恩返しをするたとえとして定着した。
備考
実際にカラスが親へ給餌することを表す生態学上の定説ではなく、古来の伝承に基づく表現。日常会話よりも、文章・スピーチ・書道などで、親孝行を格調高く述べる際に用いられる。
誤用・混同注意
- 「慈烏」を単に「優しいカラス」と解して、親孝行・恩返しの意味を取り違えない。
- 「反哺」を「反復して食べること」と誤解しない。「哺」はここでは親に食べ物を与える意である。
例文
- 両親を自宅に招いて世話をする彼の姿には、まさに慈烏反哺の思いが表れている。
- 社会人になってから仕送りを続けるのは、育ててくれた母への慈烏反哺の気持ちからだ。
- 親の恩に報いる慈烏反哺の心を、子どもたちにも伝えていきたい。
分類
類義語
対義語
- 忘恩負義
- 不孝不義