慈母敗子
読み方:じぼ はいし
意味
子どもを慈愛するあまり甘やかし、厳しくしつけない母親のもとでは、子どもがだめになりやすいという意味。転じて、親や保護者の過度な甘やかし・溺愛が、子どもの自立心や規律を損なうことをいう。
由来
中国戦国時代末期(紀元前3世紀ごろ)の思想家・韓非の著作とされる「韓非子」五蠹篇にある「慈母有敗子、而厳家無格虜者」という趣旨の言葉に由来する。慈愛だけで子を甘やかすと不肖の子が生じ、厳格な家庭にはならず者が出にくい、という法家思想に基づくたとえである。
備考
現代では母親だけに責任を負わせる表現として受け取られるおそれがある。使用時は、親・保護者による過度な甘やかし一般を指す比喩として、文脈に配慮するとよい。
誤用・混同注意
- 「敗子」を単に「失敗した子」と解釈するのは不正確で、ここでは甘やかされて不品行・不肖になった子をいう。
- 母親だけを非難する語ではなく、過度な溺愛やしつけの欠如への戒めとして用いる。
例文
- 欲しがる物を何でも与えるだけでは、慈母敗子になりかねない。
- 子どもの自主性を尊重しつつも、慈母敗子とならないよう、守るべき規則は明確にした。
- 彼女は「慈母敗子という言葉もある」と言い、子どものわがままをたしなめた。
分類
類義語
- 溺愛
- 過保護
対義語
- 母慈子孝