慈悲喜捨
読み方:じひ きしゃ
意味
仏教で説く、すべての生き物に向ける四つの広く平等な心をいう。慈は人に楽しみを与えること、悲は苦しみを取り除くこと、喜は他者の幸福を共に喜ぶこと、捨は好き嫌いや敵味方の差別を離れて平静・平等であることを表す。
由来
古代インド仏教の「四無量心(しむりょうしん)」に由来する。釈迦の時代とされる紀元前5世紀ごろには、慈・悲・喜・捨の四つの心を修める教えが成立していたと考えられる。これが漢訳仏典を通じて中国・日本へ伝わり、「慈悲喜捨」という四字で定着した。
備考
「捨」は単に捨て去ることや無関心ではなく、執着・偏見を離れて平等に見る心をいう。日常会話よりも、仏教・倫理・人格論の文脈で用いられる。
誤用・混同注意
- 「捨」を単なる『捨てること』や『無関心』の意味だと解釈するのは不正確で、ここでは執着やえこひいきを離れた平静・平等の心を指す。
- 「慈悲喜捨」を「じひきすて」と読むのは誤りで、通常は「じひきしゃ」と読む。
例文
- 慈悲喜捨の心を持ち、困っている人にも分け隔てなく接したい。
- 指導者には、部下の成功をねたまずに喜ぶ慈悲喜捨の姿勢が求められる。
- 彼女は慈悲喜捨を実践するように、相手への怒りにとらわれず冷静に話し合った。
分類
類義語
- 四無量心
- 四無量
- 慈悲
対義語
- 冷酷無情
- 偏愛偏憎