愛語利行
読み方:あいご りぎょう
意味
慈愛と思いやりをもって相手に親しみ深い言葉をかけること(愛語)と、相手の利益や幸福のためになる行いをすること(利行)。仏教で、人を教えや善い生き方へ導き、よい関係を結ぶための実践をいう。
由来
インド仏教に由来する仏教語で、他者を導き支える四つの方法である「四摂法(ししょうぼう)」のうち、「愛語」と「利行」を並べた語である。四摂法は、5世紀初頭(413年ごろ)に漢訳された『長阿含経』の「善生経」などに説かれ、布施・愛語・利行・同事(または等利)から成る。日本では道元が13世紀の『正法眼蔵』「菩提薩埵四摂法」で重視した。
備考
日常会話ではやや仏教的・文語的な表現である。「愛語」は単なるお世辞ではなく、相手のためになる慈愛ある言葉を指す。「愛語利行」は四摂法のうち二つを示す。
誤用・混同注意
- 「利行」を「りこう」と読むのは誤りで、読みは「りぎょう」。
- 「愛語」を単なるお世辞や相手を甘やかす言葉と解するのは不正確で、相手の利益を願う言葉をいう。
例文
- 接客では、相手を急かさずに話を聞く愛語利行の姿勢が信頼につながる。
- 福祉の仕事に携わる彼女は、利用者への愛語利行を日々の基本としている。
- 道元の教えを学び、批判する前に愛語利行を実践しようと心がけた。
分類
類義語
- 和顔愛語
- 利他行