恩威並行
読み方:おんい へいこう
意味
人をいたわり恩恵を与える「恩」と、規律を守らせるための威厳・厳しさである「威」とを、偏らずに同時に用いること。統治者や組織の長が、寛容さだけにも厳罰だけにも寄らず、人心を得ながら秩序を保つあり方をいう。
由来
中国・後漢時代(1世紀ごろ)の文人、杜篤(ととく)の文章に見える語とされる。『後漢書』文苑伝上が引く杜篤の「論都賦」に「恩威並行、表裏相済」とあり、恩恵・慈愛と威厳・強制力とを併せて行う意で用いられた。
備考
主に政治・統治・軍事・組織運営について用いる硬い表現。「威」は単なる威張りではなく、規律を守らせる公正な厳しさを指す。現代では高圧的な管理を正当化する語として使わない配慮も必要である。
誤用・混同注意
- 「恩威平行」と書くのは誤りで、「並行」を用いる。
- 「恩威並用」は類義の別表現であり、「恩威並行」の誤字ではない。
- 単に恩恵を並べて行う意味ではなく、「恩」と「威厳・厳しさ」を併せて用いる意味である。
例文
- 新任の知事は、住民への支援と不正への厳正な対処を両立させる恩威並行の姿勢を示した。
- 組織を率いる者には、部下の努力を認める恩と、規律違反を見過ごさない威による恩威並行が求められる。
- その将軍は恩威並行の統率によって兵の信頼を集め、軍の秩序も保った。
分類
類義語
- 恩威並用
- 恩威兼施
- 賞罰分明