念仏三昧
読み方:ねんぶつざんまい
意味
仏、とくに阿弥陀仏を一心に念じたり、その名を唱え続けたりして、心を深く集中・安定させる修行、またはその禅定(三昧)の境地をいう。広くは、ほかのことを忘れるほど念仏に没頭している状態も指す。
由来
「念仏」は仏を心に思い浮かべ、その功徳や名号を念じること、「三昧」はサンスクリット語のサマーディ(samādhi)の音写で、心を一つに定めた深い瞑想・禅定をいう。インド仏教の念仏観想・禅定の思想が中国語仏典へ翻訳される過程で成立した仏教語であり、中国では後漢から魏晋南北朝期(2~6世紀頃)に訳出された経典類に見られる。日本には仏教伝来後に受容され、平安時代の浄土教などで重視された。
備考
仏教、とくに浄土教で用いられる語である。「三昧」には一般に「何かに没頭すること」の意味もあるが、「念仏三昧」は本来、宗教的な瞑想・修行を指す。宗派により、観想を重視する場合と称名を重視する場合がある。
別表記
- 念佛三昧
補足
- 「念仏三味」は誤り。仏教の禅定を表す場合は「三昧」と書く。
- 単に熱心に念仏を唱えることだけを指すとするのは不十分で、本来は仏を念じて心を集中・統一する禅定の意味を含む。
例文
- 僧は阿弥陀仏を一心に念じ、念仏三昧の境地に入った。
- 法要では、参加者が静かに称名を続け、念仏三昧を修した。
- この絵巻には、山寺で念仏三昧に励む僧たちの姿が描かれている。
分類
類義語
- 称名念仏
- 一心念仏
- 観仏三昧