往相回向
読み方:おうそう えこう
意味
浄土教、特に浄土真宗で、阿弥陀仏の功徳が衆生に回し向けられ、衆生が浄土に往生して成仏するための因となること。また、その阿弥陀仏からのはたらきをいう。「往相」は、この世から阿弥陀仏の浄土へ往く側面を指し、「還相回向」と対になる。
由来
中国・北魏末から東魏期の僧、曇鸞(どんらん、476年頃~542年)の著した『往生論註』に、往相・還相の二種の回向として説かれる。6世紀前半の浄土教思想に由来する語である。日本では親鸞(1173~1263)がこれを重視し、往相回向を阿弥陀仏が衆生に功徳・信心を与えて浄土へ至らせるはたらきとして明らかにした。
備考
日常会話ではほとんど使われない浄土教の専門語である。宗派や文脈によって細部の解釈は異なるが、浄土真宗では阿弥陀仏の他力による回向として重視される。対語は「還相回向」。
別表記
- 往相廻向
例文
- 浄土真宗では、信心は阿弥陀仏の往相回向によって恵まれるものと説く。
- 講義では、往相回向と還相回向から成る二種回向について学んだ。
- 親鸞の教えを理解するには、往相回向を自力の善行ではなく他力のはたらきとして捉えることが重要である。