往生素懐
読み方:おうじょう そかい
意味
以前から抱いていた願いや望みを果たし、十分に満足すること。もとは、死後に極楽へ往生したいというかねての願いがかなう意を含み、転じて「これで思い残すことはない」と思えるほど本望であることをいう。多く「往生素懐を遂げる」の形で用いる。
由来
「往生」は仏教で、死後に阿弥陀仏の浄土などへ生まれ変わること、「素懐」は平素から抱いている願い・本心をいう。浄土への往生を願う思想を背景として生じた語で、成立時期や特定の典拠となる中国古典は明確ではない。中世以降の仏教的な語彙を基盤に、「かねての願いを果たす」という一般的な意味でも用いられるようになった。
備考
やや古風で格調の高い表現。「死ぬ」「往生」の字を含むが、現代では実際の死に限らず、念願がかなった満足感を強調して用いる。「往生素懐を遂げる」とするのが一般的。
誤用・混同注意
- 「往生本懐」と混同されることがあるが、四字熟語としては「往生素懐」。
- 「おうしょうそかい」と読むのは誤りで、「おうじょうそかい」と読む。
- 「往生」はここでは主に仏教的な死後の生まれ変わりを背景とする語で、現代語の「困る」の意味ではない。
例文
- 長年応援してきた選手の優勝を会場で見届け、ファンとして往生素懐を遂げた思いだ。
- 退職前に故郷の学校で教壇に立てたので、彼は往生素懐を遂げたと笑顔で語った。
- この研究を完成させて後進に引き継げれば、研究者として往生素懐である。
分類
類義語
- 本懐成就
- 宿願成就
- 満願成就
- 悲願達成
- 得其所哉
対義語
- 不本意
- 無念
- 志半ば