引短推長
読み方:いんたん すいちょう
意味
自分の才能や長所をことさらに示さず、むしろ自分の至らない点を認めて、相手の長所をほめ、引き立てること。へりくだった態度で他人を立てることをいう。
由来
中国の正史『南史』巻三十九「劉之遴伝」に見える語。南朝梁(6世紀)の学者・劉之遴は、人と学問を論じる際、常に「引短推長」して相手の美点を明らかにした、と記される。自分の才をひけらかさず、他人の長所を顕彰する姿勢から生まれた故事成語である。
備考
現代の日常会話ではまれで、文章語・教訓的な文脈で用いられる。「短」「長」はそれぞれ短所・長所を指す。単に相手をほめるだけでなく、自らを控えめにする含みがある。
誤用・混同注意
- 「自分の短所を隠して他人の長所を押しのける」という意味ではない。自らを控えめにし、相手の長所を引き立てる意である。
例文
- 彼は会議で自分の功績を語らず、若手の働きを紹介するという引短推長の姿勢を貫いた。
- 師の引短推長の態度に接し、参加者たちは互いの長所を認め合うようになった。
- 共同研究では、引短推長の精神で仲間の専門性を尊重することが大切だ。
分類
類義語
- 抑己尊人
- 推賢譲能
- 謙虚謙遜