布施愛語
読み方:ふせ あいご
意味
仏教で、人を教え導き救うために、物や財を惜しまず施す「布施」と、相手を慈しみ喜ばせる親切で温かな言葉をかける「愛語」を合わせた語。菩薩が人々を受け入れ導く四摂法のうち二つを示す。広く、行為と言葉の両方で他者に思いやりを示すことをいう。
由来
大乗仏教における、菩薩が人々を導く四つの方法「四摂法」(布施・愛語・利行・同事)に由来する。「大智度論」などの漢訳仏典に説かれ、鳩摩羅什による同論の漢訳は5世紀初頭、402~406年ごろに行われた。日本では鎌倉時代の道元が、1231~1253年ごろ成立した『正法眼蔵』の「菩提薩埵四摂法」で、布施と愛語を詳しく説いている。
備考
本来は四摂法のうち「布施」と「愛語」の二項を並べた仏教語。布施は金品だけでなく、教えを伝える法施や不安を除く無畏施なども含む。日常では思いやりある寄付と言葉遣いの両方を重んじる表現として用いる。
補足
- 布施を金銭・物品の寄付だけに限定して理解すること。仏教では法施や無畏施なども布施に含まれる。
- 「布施愛護」と書くのは誤り。正しくは「布施愛語」。
例文
- 地域の子ども食堂を支え、利用者一人ひとりに温かな言葉をかける姿は、まさに布施愛語の実践だ。
- 接客では商品を売ることだけでなく、相手を尊重する布施愛語の心が信頼につながる。
- 僧侶は講話で、寄付だけで満足せず、日々の会話にも布施愛語を生かそうと説いた。
分類
類義語
- 慈悲利他
- 和顔愛語
- 四摂法
対義語
- 慳貪吝嗇
- 悪口雑言