客塵煩悩
読み方:きゃくじん ぼんのう
意味
人の心は本来清らかであるのに、一時的に付着して心を曇らせる、ちりのような煩悩のこと。「客」は仮に来て去るもの、「塵」は心を汚すもののたとえであり、貪り・怒り・無知などの迷いを、心の本性ではない一過性の汚れとして捉える仏教語。
由来
インド仏教の思想を漢訳仏典で表した語である。「客」は一時的に訪れる客、「塵」は汚れとなるちりを表す比喩。『勝鬘経』には、本来清浄な如来蔵・心が「客塵煩悩」によって染められると説かれる。現存する代表的な漢訳は南朝宋の求那跋陀羅による436年ごろの訳である。
備考
主に仏教・禅の文脈で用いる専門語で、日常会話ではあまり使われない。「客塵」は来客や実際のほこりではなく、本来清浄な心に仮に付着する汚れのたとえである。
別表記
- 客塵煩惱
誤用・混同注意
- 「煩脳」は誤りで、正しくは「煩悩」。
- 「客塵」を来客や実際のほこりに関する悩みと解するのは誤り。
例文
- 禅の修行では、怒りや執着を客塵煩悩として観察し、それにとらわれないことを目指す。
- 不安が湧いても、それは本来の自分そのものではなく、客塵煩悩にすぎないと教えられた。
- 師は、客塵煩悩を払い落とすように、静かに自分の心を見つめなさいと説いた。
分類
類義語
- 煩悩
- 塵労
- 妄念
対義語
- 自性清浄心