安分守拙
読み方:あんぶん しゅせつ
意味
自分の身分・境遇・能力に応じた分をわきまえ、それに満足して慎ましく暮らすこと。また、才知や能力をむやみに誇示せず、飾らない態度を守ること。「安分」は自分の分際に安んじること、「守拙」は飾らない素朴さや、あえて拙い生き方を守ることをいう。
由来
「安分」と「守拙」を組み合わせた語である。「守拙」は中国・東晋の詩人、陶淵明の詩「帰園田居」にある「守拙帰園田(拙を守りて園田に帰る)」に見える表現で、世俗的な才知や名利を求めず、素朴な本性を守る意をもつ。ただし、「安分守拙」という四字熟語そのものがいつ成立したか、特定の一つの典籍に由来するかは明確ではない。
備考
やや硬い文語的な表現で、人物の生き方や処世観を述べる際に用いる。「能力がない」という自己卑下ではなく、名利を追わず質素・謙虚に振る舞う姿勢を表す。
例文
- 祖父は安分守拙を信条とし、名声や財産を求めて人と争うことはなかった。
- 彼女は安分守拙の人柄で、優れた業績を上げても自分から手柄を語ろうとしない。
- 安分守拙の生き方を尊ぶ一方で、必要な場面では自分の意見を示すことも大切だ。