娑婆世界
読み方:しゃば せかい
意味
仏教でいう、釈迦が教えを説くこの現実世界のこと。人々が煩悩や苦しみ、汚れに満ちた生を耐え忍んで暮らす世界という意味をもつ。転じて、寺院・出家の世界に対する世俗の世界や、単に「この世」を指すこともある。
由来
サンスクリット語の「サハー(sahā)」と「ローカダートゥ(lokadhātu=世界)」に由来する仏教語である。「サハー」は「耐える・忍ぶ」の意で、漢訳では音写して「娑婆」、意訳して「堪忍」とされた。中国で鳩摩羅什が406年ごろに訳した『法華経』などの仏典に「娑婆世界」として見え、日本にも仏教とともに伝来した。
備考
本来は仏教上の「この忍土」を指す語である。現代では「娑婆」「しゃば」だけで世俗・外の世界をいうことがあり、刑務所の外を指す俗な用法もある。
誤用・混同注意
- 「沙婆世界」と書くのは誤りで、標準的な表記は「娑婆世界」。
- 単に「楽しい現世」という意味ではなく、本来は苦しみや煩悩を耐え忍ぶ現実世界を指す。
例文
- 仏教では、私たちが暮らす苦悩の多い現実の世を娑婆世界という。
- 修行を終えた僧は、再び娑婆世界で人々を救う道を選んだ。
- 長い入院生活を終えて街に出ると、にぎやかな娑婆世界へ戻ったように感じた。
分類
類義語
- 穢土
- 忍土
- 現世
対義語
- 極楽浄土
- 西方浄土
- 浄土