天府之国
読み方
てんぷ の くに
意味
自然の恵みが豊かで、土地が肥沃であり、農産物などの物資に恵まれた国・地域をいう。「天府」は天が備えた倉庫、または天然の宝庫の意で、「天府之国」は豊かさに恵まれた理想的な土地をたたえる語である。
由来
前漢の歴史書『史記』の「留侯世家」に見える語。張良が劉邦に対し、関中は沃野が広がり、巴蜀の豊かさにも通じる「金城千里、天府之国」であると説いたことに由来する。『史記』は司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ。後には、特に肥沃で物産の豊かな中国の四川地方を指して用いられることが多くなった。
分類・構成
備考
本来は中国の関中地方を形容した語で、後世には四川省の別称として広く定着した。「之」は「の」の意。日常会話より、地理・歴史・文章語で用いられる。
誤用・混同注意
- 「天賦之国」と書くのは誤り。「天賦」は生まれつきの才能・性質をいい、この語では天然の宝庫を表す「天府」を用いる。
- 「てんぷのこく」ではなく、通常は「てんぷのくに」と読む。
例文
- 四川盆地は、肥沃な土地と豊かな水に恵まれ、古くから天府之国と称されてきた。
- その平野は農産物が豊富で、まさに天府之国と呼ぶにふさわしい地域だ。
- 紀行文には、旅人がその豊かな谷あいを天府之国とたたえたと記されている。
類義語
- 沃野千里
- 魚米之郷
- 物産豊饒